生活 19/10/20

 

映画

ここ半年で30本くらい観た。映画、わりと何でも楽しめるのだが、これは多くの人間ががんばって作ったものなので無意識にけなさないモードで鑑賞してしまうせいだと思う。心優しき巨人だね……。今公開してるのだと『ジョーカー』、半年間で観たなかだと『インターステラー』、『マッチスティック・メン』が特に良かった。

 

まったく読んでいない。月1.5冊くらい?生物学と神学系を中心に読んでいたが、合間に読んだ『精神疾患とパーソナリティ』が結構面白かった。旅行の合間に読んでいたので思い出補正かもしれない。 今は『金枝篇』を読んでいるがこれも面白い。ちくま学芸文庫、最高~~~。

 

漫画

これもとんと買わなくなったが暇を見つけて(常に暇ですが……)ネカフェで読んでいる。映画と本は記録しているが漫画は読み即忘れているのであまり言うことがない。最近読んだのだとヤマシタトモコが良かった。

 

小説

無。人生と一致していない。

 

人生において最も適切なタイミングで任意の創作物を受容する。これが重要。

小学生の時に読んでいなければ一生『かいけつゾロリ』を楽しむことはなかっただろうし、大学生として読む森見登美彦と社会人として読むそれは別の体験なのだ。程度の差こそあれ全て創作物は人生との一致を必要としている。

そういうわけでいつか一致した時すぐ読むために、既に本棚に50冊近く未読の小説があっても新しく購入していい。いいんだよ。

 

アニメ

ヌ。前期は『ダンベル何キロ持てる?』、『まちカドまぞく』、『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』を観ていた(GYAOで観れたため)。『ダンジ~』は敵がやたら小物っぽいので終始ほーんという感じ。『ダンベ~』は1話のヌルっと詰め寄るところが特に良かった。『まちカドまぞく』はOPEDともに良く前期で一番気に入った。今期は『アイカツオンパレード』という福祉番組がやっているので他に何も観ることなし。

https://www.youtube.com/watch?v=mbNM4lXU-gQ&list=PLcpNwSdDWNrxffeo-7xUuoLiMLHl_9-Ye

 

来週くらいから稲を刈る。

 

なぜか7月頃に民法を趣味にしていて、適度な目標とツーブロックの男も見れるしということで宅地建物取引士資格試験を受けることにした。問題はこんな感じ。

http://www.retio.or.jp/past/pdf/H30-question.pdf

民法からの出題は50問中13問くらい。残りの37問はまるで興味が無かった上に9月にはすでに民法にも飽きていたものの、暇にまかせて勉強はしていた。

久しぶりの勉強らしい勉強だったが、見るに堪えなかった過去問の点数がだんだんと上がっていくのは純粋に楽しく、そういえば受験勉強もまあまあ楽しかったなという明らかな記憶の改竄も起こるほどには苦にならなかった。これも記憶の改竄か?

そんなこんなで今日(10/20)試験があった。前の席の受験者が本当にツーブロックだったというほっこりエピソードもあり体験としては100点。結果発表は12/4とのこと。

 

『バースデー・ワンダーランド』

 

 『響け!ユーフォニアム』を観に行ったら満席で、代わりに『シャザム!』を観た。パンケーキ屋が満席でも隣の焼肉屋に入ることはないが、映画館では普通のことだ。面白かった。

 そして日を改めて観に行った『響け!』はまたもや満席で、代わりに観たのが『バースデー・ワンダーランド』。

 

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 錬金術師に連れていかれた異世界で、救世主となって旅をする話。

アカネ(声:松岡茉優)の誕生日前日、目の前で地下室の扉が突然開く。そこに、謎の大錬金術ヒポクラテス市村正親)とその弟子・小人のピポ(東山奈央)が現れる。2人はアカネに、私たちの世界を救ってほしいと懇願する。自分に自信がないアカネはできないと断るが、好奇心旺盛で自由奔放な叔母チィ(杏)に促され、骨董屋の地下の扉から繋がる“幸せ色のワンダーランド”へ無理やり連れて行かれてしまう。そこは、時空を操るクモやまん丸でモコモコの羊、巨大な鳥や魚と、アカネたちとそっくりな人たちが暮らす世界で、“色が失われる”危機に瀕していた。色を作る水を守るため、アカネはワンダーランドの救世主となり、チィやヒポクラテス、ピポと共に、色とりどりの町を巡る。一方、ザン・グ(藤原啓治)たちは、命の源の水が湧く井戸を破壊しようと計画を進行していた。ついにアカネとザン・グが井戸の前で対峙したとき、アカネは人生を変える決断を下す……。

 いかにも児童文学という感じの筋書きで、然り原作は児童文学。

 

 『響け!』の代わりと言っても、監督が『モーレツ!オトナ帝国』の原恵一ということでそこそこ期待はしていた。しかし観終わったときの感想は、微妙。良かった部分も確かにあるのだが、それ以上に(悪い意味で)気になったところが多かった。

 

 

よかった点

女性キャラの顔が良い

 長編アニメにおいてもっとも重要なこと、女性キャラの顔。顔、良いです。

 

美術

 美術監督は『心が叫びたがってるんだ』でも美術監督を務めた中村隆。冒頭の家庭のシーンや、サカサトンガリの町などは特に好き。

 

チィの人物像

 チィは主人公の叔母で、異世界には招かれてないものの持ち前の好奇心でついてきて、内気な主人公を引っ張っていくという役どころ。他のキャラクターが物語上に配置された人形のような印象を受ける(後述)なかで、唯一チィだけは人間らしく感じた。

 砂漠で星空を見上げるシーンが特に印象的。

 

デカい鳥が出ている

 鳥がデカくてピンクだと……うれしい

 

 

気に入らなかった点

話が平坦

 異世界に来てまずやるのが廃品回収車から鳥の巣を救うこと。なんで?全編通してそんな感じのスケールで進むのでまったく盛り上がらない。

 

話に説得力がない

 この映画に言いたい文句はこれに尽きる。”水不足で色が失われつつある世界”という設定なのに普通に川は流れ緑は色づく世界。さも重要そうに出てきた錬金術のアイテムも道中まったく活かされず、そのくせラストにどっかり尺取って再登場。王子の顛末もアイデア先行でまったく人物に共感できない。他にも挙げればキリがない。

 キャラクターもストーリーも、プロットのままとりあえず出しましたみたいな印象を受ける。

 

 

総括

 今まで観たのが軒並み超大作だったのもあるが、それを差し引いても今年ワースト。not for me.

 

 

 

 

 

 

 記憶に残る映画というのは二種類あると思う。一つは面白かった映画。文句なく楽しんで、見終わった時に最高だったと言えるような映画。

 もう一つは、第一印象はなんでもない、むしろちょっと気に入らなかった映画。気に入らなかった部分が喉に引っかかった小骨のように心に残り、見終わった時にもやもやした感覚を残す映画。しかし一たびそのもやが晴れると、いままで気に入らなかったことが一気に好きに逆転していく。そういう映画がある。

 

 この映画がそうだった。良いところはあるが、それ以上にダメな部分が気になる。スタッフロールが流れてもすっきりしない。掛け値なしに面白かったとは言えないが、その後もなんとなく頭から離れない。違和感がある。なにか。

 

 そして気付く。受け取り方が違っていたのだということに。この映画は焼肉を食べに行ったら出てきたパンケーキなのだということに。

 

 この映画は冒険活劇でも、大人が泣ける物語でもない。この映画はただ、どこにでもいる子どもがなんとなく旅をして、世界の美しさにすこし気付き、一歩踏み出す。それだけを描いていた。

 主人公が選ばれた意味?必要ない。物語に盛り上がりやアクションがない?必要ない。話に説得力がない?それはさすがに気になったのでもう少し頑張ってほしかったが……。

 とにかく、この映画にそれらを求めるのはパンケーキ屋で牛カルビを探すようなものであって、ないものねだりだ。この映画の本当の魅力とは、現実と地続きな異世界の美しさ、物語と主人公を引っ張っていくチィの魅力、人間一般の顔の良さ。そういった薄ぼんやりと世界を包む善性だ。

 

 あれだけストーリーをボロクソに言っておいて好きなところが”ぼんやりとした良さ”ではつり合いが取れてない気もするが、それでも最終評価は"観て良かった"とはっきり言える。

 確かにダメな部分はある。しかしそれさえも愛おしい。好きになってしまったということだ。

映画みた2017下半期

 

過去の評価基準を忘れたので今回もう一度決めておく。多分変わってないが、一応これまでの点数とこれからの点数は同じ尺度ではないというエクスキューズ。

評価は1~4の4段階。

1 not for me

2 あんまり刺さらないが光るとこあり

3 見て良かった

4 LOVE……

 

 

【3】22年目の告白 私が殺人犯です

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22年前の連続殺人犯が時効を迎えて手記を出版し、てんやわんやする話。ミステリーものってだいたい何書いてもネタバレになるし書くことなくない?面白かった。藤原竜也の感情が昂ってオウオウ言ってるのを見るのが好き。

 

 

【2】ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ

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 発明家が経営者に簒奪されるのに興奮する性癖の人は数多くいると思うが、そんな人間を満足させる一本。エンドロールで登場人物のその後が語られるのに興奮する性癖も満たせて一石二鳥。

 

 

【1】アメイジングスパイダーマン

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 記憶がない。

 

 

【2】ベイビー・ドライバー

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主人公は幼少期の事故が原因で激しい耳鳴りを患っていて、音楽で外界と遮断されている間だけ天才ドライバーになる。→かっこいい

最初見た時はなんやこのご都合主義映画はという気持ちになったが、全部かっこいいから全部オッケー。

映画『ベイビー・ドライバー』冒頭6分カーチェイス - YouTube

 

 

【3】ダンケルク

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1940年、フランスの町ダンケルクに残された40万の兵士を救う撤退作戦を描いた映画。

陸の兵士の1週間、海をいく救出船の1日、空軍の1時間を同スケールで映す構造的な面白さはまさにノーランという感じ。

 

 

【4】スイス・アーミー・マン

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無人島に1人流れついた主人公。待てど暮らせど助けは来ず、自ら命を絶とうとしたまさにその時、浜辺に男がもう1人流れ着く。その男がすでにこと切れていて落胆する主人公だが、死体は尻からガスを発していて浮力があることに気づく。ガスはどんどん強まっていき、ついに沖へと勢いよく発進。主人公は意を決して死体にまたがり、無人島からの脱出を試みる。

シュールな発想、閉じた世界、自然、内省、屁、死体。2017年度マイベスト映画。

映画『スイス・アーミー・マン』予告編 - YouTube

 

 

【2】IT/”それ”が見えたら、終わり。

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ピエロホラー。ところどころホラーっぽいシーンはあったものの、後半タコ殴りにされるペニーワイズに感情移入してしまい微妙な気持ちになった。恐怖、絶対的であってほしい。

 

 

【2】オリエント急行殺人事件

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原作未読だったのでお得。教養の無さは時として利となる。雰囲気も話もそこそこ良かったはずだが、曲が良すぎてその記憶が強い。

Imagine Dragons - Believer - YouTube

 

 

2017年度ベスト3

1.スイス・アーミー・マン

2.メッセージ

3.スプリット

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ごっつええ感じほんまおおきにランド

 

あけましておめでとうございます。

 

 

9:00 大阪港
 目当ての海遊館は10:00開館のため適当に散策。歩き疲れたところにしゃらくさいカフェがあったので入る(9 Borden Coffee)。ラテを頼み、本を読みながら時間を潰す。店内は良い雰囲気で、あまりにも雰囲気が良いため普段なら5秒たりとも滞在できないが、今回は旅行者という身分なので自意識を殺すことができた。旅行のコツは自意識を殺すことで、実はこれは人生一般にも適用することができます。

 

 

10:00 海遊館
 開館と同時に行ったためごった返しに巻き込まれこれは失敗かと思いきや、混んでいたのは最初だけでなかなか快適に見れた。ジンベエザメは最大で10mを超える種だがここのは子供なので2匹とも5mくらい。それでも王の風格を感じる。エサやりの光景も見ることできたが、エサが水面から与えられるため縦になっててかわE。

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 タカアシガニ、デカく、数も多い。全国タカアシガニ展示満足度ランキング暫定1位。海遊館は他にもアザラシ、マンボウ、イルカ、ペンギンなど、地方の水族館なら主役級の生物が特にフィーチャーされずにのほほんと展示されている(立ち止まる人も少ない)のでゆっくり見ることができて良い。

 

 

11:30 天王寺動物園
 久しぶりに動物園に行ったがやはり楽しい。動物、肉眼で見るとだいたい自分の想定より一回りデカくてお得。トラが特に風格があって良かった。昔はゾウやオランウータンもいたらしいが、亡くなっていたようで空の檻がなんとも寂しい。動物は死ぬ。

そのまま臨時開館していた市立美術館に向かったが、アホほど並んでいてこれは入れても満足度低いなと思い断念。

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13:30 アベノハルカス
 旅行したらとりあえず高いところに行きたくなる習性があり、しかし行ってもだいたいほーんとなるだけなのは分かっていて、分かっていながら行ってしまう。滞在時間5分。昇りのエレベーターで子供がじゃんけんに勝つ度に相手の頬をつねるゲーム("じゃんけんブルドッグ"というらしい)をやっていてノスタルジーを感じた。

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これははいふりカメラといって、はいふりのカメラです。

公式アプリ | TVアニメ「ハイスクール・フリート」公式サイト

 

 

14:00 麺屋 和人
 この時点でだいぶ疲れていたので、適当に駅近のラーメン屋に向かう。店外7,8人ほどの行列に、30分ほど並んで入店。清潔感のある店内に大盛り無料、もやし無料、飲み物は黒烏龍と細かい加点を積み重ね、引き出しに仕込まれた薬味バレットがワクワク感も演出、ラーメン本体が来る前に既に良い店や……となっている。ラーメンはというと、今回頼んだのは定番の"和人ラーメン"。魚介系スープに細麺と、あっさりした布陣ながらもしっかりと旨味もあり疲れた体によく染みる。2種の鶏チャーシューもスープと調和してたいへん美味く、味変のガラムマサラも当たりで大満足。

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16:00 梅田
 大阪に来たら毎回寄っている丸善ジュンク堂書店梅田店へ。とくに何か買うわけではないが、デカい本屋は楽しい。一般に、本屋とサメ映画に出てくるサメはデカければデカいほどいいとされています。気になっていた本を見つけて買うかどうか迷ったが、旅先で本を買うとその後の移動がつらくなるので眺めるだけと心に決めている。なぜ本屋に来たんですか?

つきあい方の科学―バクテリアから国際関係まで (Minerva21世紀ライブラリー)

つきあい方の科学―バクテリアから国際関係まで (Minerva21世紀ライブラリー)

 

 ジュンク堂からそれほど距離もなかったのでまんだらけ梅田店へ。『童夢』が3,000円で売られていて驚く。数年前に絶版になってプレミアがついたらしい。眺めるだけだと心に決めていたが、つい鶴田謙二の初期単行本数冊とウルトラヘヴンの2,3巻を買ってしまう。旅先で本を買うとどういったことになるか、これは非常に知性が要求される問題で、動物の中でも人間と一部の類人猿しか理解することができないと言われています。

 


19:00 蕎麦

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 夜は鴨蕎麦を食べるつもりだったが目当ての店は年始休業、次に行った店も休業。人々の正月休みを寿ぎながら、観念して駅近の雑な蕎麦屋に入る。雑な蕎麦屋とは空港のレストランエリアなどによくある、そば茶とかりんとうが無料で提供され、課金すると蕎麦が出てくるシステムのやつです。蕎麦、なぜか分からないが、食べると終点という気持ちになる。おつかれさまでした。

月間おもしろブック大賞 18/4~10

 

ニート

 

 

4月

貨幣論岩井克人ちくま学芸文庫

貨幣論 (ちくま学芸文庫)

貨幣論 (ちくま学芸文庫)

 

貨幣を貨幣として今ここでひきうけてもらうためには、貨幣を貨幣としてひきうけてくれる人間が無限の未来まで存在しつづけることが期待されていなければならない。無限の未来にむけての期待のみが、今ここでの貨幣の貨幣としての価値を支えている。(p198)

 むかし国語の教科書で読んで以来気になっていて2年前に買ったものの、ずっと積んでいたのを消化したら存外面白かった。マルクスの『資本論』中で論じられた価値形態論を追いながら、貨幣とはなんぞやという謎に迫る本。上記の引用文がラノベという感じでかっこいい。

 

 

5月

世論/W.リップマン/岩波文庫

世論〈上〉 (岩波文庫)

世論〈上〉 (岩波文庫)

 

 あ~はいはいそうですね~~と読んだが書かれたの100年前(1922年)でビビる。特に11章の人間化したステレオタイプの話はやたら今風に感じるし、人間変わらんなという気持ちになる。上巻巻末に大学時代の同級生が著者のリップマンをベタ褒めした詩が載っているので腐女子のみなさんにもおすすめです。

 

 

6月

 該当なし

 

 

7月

動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか/フランス・ドゥ・ヴァール/紀伊國屋書店

動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか

動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか

 

 人間の尺度で動物を測るなという話。たまたま少し前にユクスキュルの『生物から見た世界』を読んでいたので点が線になった感じがして良かった。生物学をやっていると動物が機械的に見えてくるというのはありがちな話で、そこから中庸にバランスできるこの本は貴重。

 

 

8月

想像の共同体/ベネディクト・アンダーソン/書籍工房早山

定本 想像の共同体―ナショナリズムの起源と流行 (社会科学の冒険 2-4)

定本 想像の共同体―ナショナリズムの起源と流行 (社会科学の冒険 2-4)

 

 ナショナリズムの起こりと進行を書いた一冊。印刷技術の発達が国民意識の端緒となった話は蒙が啓かれるし、クレオールの巡礼の話はエモい。一見とっつきにくそうだが内容が面白くてするする読めるのは『利己的な遺伝子』でも体験したが、本当に良い本に出会えたという気がして嬉しくなる。どうでもいいけど”Ⅸ 歴史の天使”めちゃかっこいい。

 

 

9月

やわらかな遺伝子/マット・リドレー/紀伊国屋書店

やわらかな遺伝子

やわらかな遺伝子

 

 生まれか育ちか、自分が何によって形成されているのかは人間だれしも気になる問題だが、著者の答えは”生まれから育ちへ”というもの。遺伝子が可能性を提供し、環境がそれを利用するという世界観は直感的にも理解しやすい。具体的な事例も刺激的なものが多く飽きずに読み進められる。各章で取り上げた生物学著名人の黒歴史(?)を挙げる章末コラムも性格、悪。となり良い。

 

 

10月

フルハウス 生命の全容/スティーブン・ジェイ・グールド/早川書房

フルハウス 生命の全容―四割打者の絶滅と進化の逆説

フルハウス 生命の全容―四割打者の絶滅と進化の逆説

 

 これまでグールドは『八匹の子豚』などのエッセイ集を読んでいただけだったのでただの話が上手い生物学蘊蓄おじさんというイメージしかなかったが、この本は一貫した理論書としてかなり良かった。この本の骨子は分布の裾を単体として見るなというもの。なぜ昔はいた4割打者を今は見なくなったのか?それは投打に置いて選手の質の分散が縮小したためである、とグールドは言う。4割打者の消滅は野球の衰退ではなくむしろ発展を示すものだという見方は腑に落ちるし面白い。おすすめの一冊。

 

 

 

おまけ

積み本大賞

 微分積分30講/志賀浩二/朝倉書店

微分・積分30講 (数学30講シリーズ)

微分・積分30講 (数学30講シリーズ)

 

 俺が数学をやろうと思い立った時はまず間違いなく気の迷いか極度の酩酊状態かその両方なのだが、今回も気の迷いだった。本自体はかなり良本という雰囲気が感じられるが、感じられるが数学一生やりたくねぇ~~~。あと13回くらい気が迷ったら読破できると思うのでとにかく混乱していきたい。

 

 

映画みた2017上半期

今年が何年だと思ってるんだ?2017年です。上半期です。

 

 

 【4】ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち

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 ティムバートンのフリークス×時間遡行もの。好きな要素てんこ盛りで毎秒楽しめた。ダレンシャン、綾辻行人のもそうだがフリークス系なんでも好きな気がする。

 

 

【4】ラ・ラ・ランド

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鳴り物入りで出てきたミュージカルもの。最初のシーンがあまりにも良すぎてこの先大丈夫か……?と思っていたら結局そこがピークだった。ライアンゴズリング歌上手いンゴズリングねぇ……

 

 

【4】トリプルX:再起動

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ららららっらあっらあらrんどのついで。そこそこ良かった。続き物?で前のは見ていなかったものの、アクションものなので問題なし。主演のヴィンディーゼルのことをずっとドウェインジョンソンだと思っていたが別人だった。特技はないけどノリがいいですみたいな奴が結局ノリがいいだけですべてを乗り切ったのが良かった。

 

 

【3】MASK

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主演のジムキャリーは割と好きでよく見ているがこれはまぁそこそこ。酒を飲んでついでに流しておくくらいがちょうどいい。

 

 

【4】キングコング:髑髏島の巨神

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クソデカいゴリラが映画に出てくると……うれしい!!!この映画はクソデカいゴリラに加えてクソデカい蜘蛛、クソデカいタコ、クソデカい謎のなにかが出てくるので更に良かったです。

 

 

【3】夜は短し歩けよ乙女

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森見登美彦アジカン花澤香菜なのでもはや何も真っ当な評価ができない。とりあえず原作は読んでから見た方がいいと思う。

 

 

【1】涼宮ハルヒの消失

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 キツい。共感性羞恥以外の感情がない。しかし振り返ってみれば恥ずかしいものに疑いなく身をゆだねることが熱狂であって、それは得がたい体験なので、これを当時見れた奴はうらやましい、俺も見ておきたかったという気持ちになった。

 

【2】映画 けいおん!

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これはまぁまぁ良かった。ハルヒと続けて見たので耐性がついていただけかもしれない。山田尚子のセンスのなせる業なのか。

 

【2】楽園追放 -Expelled from Paradise-

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ヒロインの格好が超次元ゲイム ネプテューヌの世界観だが割と真面目にSFやってた気がする。虚淵で釘宮で俺たちの青春でという気持ちになったが別にそこまで彼らに青春を仮託していないな。

 

 

【4】メッセージ

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宇宙人とのファーストコンタクトものだいたい好きです、他に挙げろと言われれば特に思いつきませんが。全体に陰鬱な雰囲気で、曲もたいがい不気味なんだがそこには確かに救いがあって、そういうのに弱い、俺は。

 

 

【3】スプリット

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ジェームズ・マカヴォイ演技うめ~~~。同監督の《UNBREAKABLE》と同じ世界の話とのことで続編も予定されているとか。同じ奴がスチュアート・リトルの脚本やってたとは思えない薄気味悪さでよかった。